Spotifyロスレス+LDACで曲の頭が飛ぶ?

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Galaxy S25 × WF-1000XM5でモバイル通信時だけ発生した謎の現象

最近、Spotifyで音楽を聴いていて、少し気になる現象に遭遇しました。

使用している環境は、

  • スマートフォン:Samsung Galaxy S25
  • イヤホン:Sony WF-1000XM5
  • Bluetoothコーデック:LDAC
  • Spotify:ロスレス音質
  • モバイル回線:docomo 5G(Sub6)

という構成です。

症状は単純で、曲と曲の切り替わりの際に、次の曲の冒頭部分が飛ばされることがあるというものです。

例えば、

曲Aが終了
↓
曲Bへ切り替わる
↓
曲Bの最初の部分が再生されず、途中から始まる

という状態です。

一見すると「Bluetoothが悪いのでは?」と思ってしまいますが、いろいろ条件を変えてみると、どうもそう単純ではなさそうです。


まず疑ったのはLDAC

今回の環境では、Galaxy S25からWF-1000XM5へLDACで接続しています。

LDACはBluetoothの中でも比較的高いビットレートで音声を伝送できるため、

「高音質なLDACだから通信が不安定になっているのでは?」

と最初は考えました。

しかし、ここで重要な切り分けができました。

Wi-Fiに接続すると、この現象が発生しません。

つまり、

Galaxy S25 → Bluetooth(LDAC)→ WF-1000XM5

というオーディオ経路そのものは同じなのに、

  • Wi-Fi:正常
  • モバイルデータ通信:曲頭が飛ぶことがある

という違いが出ます。

この結果から、少なくとも**「LDACそのものが原因」という可能性はかなり低い**と考えられます。

Bluetooth側が原因なら、Wi-Fiに切り替えただけで症状が消えることを説明しにくいからです。


Spotifyの「ロスレス」がポイント?

今回のもう一つの特徴が、Spotifyをロスレス音質に設定していることです。

Spotify公式サポートによると、ロスレス音源は通常の音質設定よりファイルサイズが大きく、ストリーミング時にはより多くのデータ通信を必要とします。

また、Spotifyはロスレス再生について、1.5~2Mbpsの安定したインターネット接続を推奨しています。

ここで重要なのは、

「通信速度が何Mbps出ているか」だけではなく、「通信が安定しているか」

という点です。

例えばスピードテストで、

下り500Mbps!

と表示されたとしても、それだけでSpotifyのストリーミングが必ず安定するとは限りません。

音楽ストリーミングでは、

  • パケット遅延
  • ジッター(遅延時間の揺らぎ)
  • パケットロス
  • 再送
  • 一時的な通信停止
  • 基地局・セルの切り替え

なども関係します。


「5Gなのに遅い」という話ではない

ここは少し誤解しやすいところです。

今回疑っているのは、

「docomo 5Gの通信速度が遅すぎる」

という単純な話ではありません。

むしろ、

「瞬間的な通信状態の変化によって、Spotifyが必要とするデータの先読みが間に合わないことがあるのではないか」

という可能性です。

Spotifyは、現在再生している曲だけをその場で1秒ずつ取得しているわけではありません。

次の曲などをあらかじめ取得しておく、いわゆるバッファリング/先読みによって、通信が多少変動しても音楽が途切れないようにしています。

しかし、曲の切り替わりというのはストリーミング処理において一つの境目です。

そこで、

曲Aの再生終了
→ 曲Bのデータ取得
→ 曲Bの再生開始

という処理のタイミングで一時的な通信遅延などが発生すると、何らかの再生処理上の問題が発生する可能性があります。


自宅付近では正常だった

ここでさらに面白い結果が出ました。

自宅付近で、Galaxy S25のdocomo 5Gを使って同じような再生を試してみたところ、正常に再生できました。

つまり、

モバイルデータ通信なら必ず発生する

というわけではありません。

このことから、

「Spotify+モバイル通信という組み合わせそのもの」

だけでなく、

「特定の場所・時間帯・電波状態などの条件」

が関係している可能性が出てきます。

5Gは常に同じ通信状態で動作しているわけではありません。

端末が接続するセルや電波品質、基地局側の混雑状況、ネットワーク経路などによって、実際の通信特性は変化します。

そのため、

自宅では正常
↓
別の場所では発生

という結果だけで、モバイル回線を原因から除外することはできません。


Spotify側の問題という可能性も

一方で、docomo側だけを疑うのも早計です。

SpotifyのAndroid版では、これまでも再生関連の不具合が報告されています。

例えばSpotify Communityでは、Android端末で曲の終了直前に再生が止まり、次の曲への移行に問題が生じるという報告があり、アプリ側の再生処理が関係している可能性も示されています。

また、Spotifyは現在もモバイル版について再生関連の問題を「Ongoing Issues」として掲載・調査しています。

したがって今回の症状について、

「docomoの回線が悪い」

と断定することはできません。

現時点では、

モバイル通信時の通信状態

+

Spotify Androidアプリのストリーミング/再生処理

+

ロスレスによるデータ量の増加

のいずれか、あるいは複数が絡んでいる可能性があります。


なぜWi-Fiでは正常なのか?

今回の検証で最も重要なのがここです。

同じ、

Galaxy S25
+
Spotify
+
ロスレス
+
LDAC
+
WF-1000XM5

という構成で、通信経路だけを変えると症状が変わります。

Wi-Fi

Spotify
  ↓
Wi-Fi
  ↓
インターネット
  ↓
Galaxy S25
  ↓
LDAC
  ↓
WF-1000XM5

→ 正常

docomo 5G

Spotify
  ↓
docomo 5G
  ↓
5G基地局・モバイル網
  ↓
インターネット
  ↓
Galaxy S25
  ↓
LDAC
  ↓
WF-1000XM5

→ 曲の冒頭が飛ぶことがある

この比較から考えると、問題が起きるポイントはBluetoothより前の部分にある可能性が高いわけです。


速度テストだけでは判断できない

このような問題を調べるとき、

「5Gで○○Mbps出ているから回線は問題ない」

と考えてしまいがちです。

しかし、ストリーミングでは帯域幅(throughput)だけでなく、遅延(latency)やジッター、パケットロスなども重要です。

極端な例を挙げると、

通常時
通信 ───────────────────

一瞬だけ
通信 ────────×───────

その後
通信 ───────────────────

のような状態でも、平均速度を測るスピードテストでは「高速」と表示されることがあります。

しかし、音楽ストリーミングでは、その一瞬の通信状態の変化がバッファの不足や再生処理のタイミングに影響する可能性があります。

特にロスレスでは、通常音質より扱うデータ量が大きくなるため、Spotify自身も安定したWi-Fi接続を推奨しています。


現時点での結論

今回の現象について、現段階で最も自然な仮説は、

「LDACの問題」ではなく、モバイルデータ通信時に発生する通信状態の変動、またはSpotify Android版のストリーミング処理が関係している可能性が高い

というものです。

特に、

  • Wi-Fiでは正常
  • LDACはWi-Fiでも使用している
  • モバイルデータ通信時に発生
  • 自宅付近の5Gでは正常
  • ロスレスを使用している

という条件から、**「場所や通信状態によって発生する一時的な通信品質の変化」**はかなり気になるところです。

ただし、現時点の情報だけではdocomoのネットワーク障害やSpotifyの不具合のどちらかに断定することはできません。


今後の切り分けで面白そうなこと

さらに原因を絞るなら、同じ場所で以下を比較するとかなり面白い結果が得られそうです。

① 5G+Spotifyロスレス+LDAC

現在の条件。

↓

② 5G+Spotify高音質+LDAC

ロスレスだけを外す。

↓

③ 5G+ロスレス+LDAC以外のBluetoothコーデック

Bluetooth側の条件を変更。

↓

④ 5G+ロスレス+Bluetoothではなく端末スピーカー

出力経路を変更。

これで、

  • ロスレス依存なのか
  • Bluetooth依存なのか
  • モバイル通信依存なのか
  • Spotifyアプリそのものなのか

をかなり細かく切り分けられます。

さらに、同じ場所で何度も曲間を発生させて再現率を測定すると、単なる「たまたま起きた現象」なのか、特定の通信条件で発生率が上がるのかも見えてきます。


まとめ

今回の症状は、

「LDACだから曲の頭が飛ぶ」

と考えるより、

「Spotifyロスレスをモバイル通信でストリーミングしている際、通信状態の変動やアプリ側の処理によって、曲間の先読み・切り替えに問題が発生している可能性」

と考えるほうが、現在の検証結果にはよく合います。

特に、Wi-Fiでは同じLDAC環境で正常という事実は非常に重要です。

そしてSpotify自身も、ロスレス再生ではWi-Fiやモバイルデータ通信の安定性が重要であることを案内しています。

今のところは、

「docomo 5Gが遅い」のではなく、「Spotifyロスレスのリアルタイムストリーミングに対して、モバイル通信の瞬間的な揺らぎが影響している可能性がある」

くらいに捉えるのが一番妥当でしょう。

今後、別の場所・時間帯・5G/4G・音質設定などで再現条件を調べていくと、かなり面白い切り分けができそうです。

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